季節の薬草⑥夏ーベニバナー(136)

 四半世紀前、中国で高脂血症、高コレステロールに効く新しい漢方薬が発表されて話題になったことがあります。その名を「冠心2号方」といい、丹参、赤芍、川芎、香降と紅花で構成されています。
知り合いに輸血の際、C型肝炎になられた方があり、この「冠心2号方」がよく効くとの治験もあり、おすすめし、結果良好で喜ばれたことがありました。
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 その中で配合されているベニバナの原産地はエジプトです。地中海沿岸からシルクロードを経て、中国・朝鮮を通り、飛鳥時代に日本にやってきました。
万葉集にも多く詠まれ、古名は末摘花(すえつむばな)、紅藍(べにあい)、久礼乃阿為(くれのあい)、久礼奈為(くれない)とも呼ばれ、梅雨時から梅雨明けにかけて、アザミに似た赤黄色の花を咲かせます。
江戸時代に、肥沃で水はけもよい山形県最上川流域が紅花の一大産地となり、昭和57年に山形県の県花として定められました。

 乾燥させた花は紅花(こうか)と呼ばれ、産前、産後、腹痛、月経不順、更年期で更年期障害など婦人病一般に繁用され、血行促進作用があるので血行障害による、瘀血(おけつ)、打撲症、腫瘍にも使われます。

 ベニバナの種子にはリノール酸が豊富に含まれ、食用油として使われ、血液中の動脈硬化予防やコレステロールの低下が期待されます。

 また、ベニバナは古代染めの原料として用いられてきました。
 花びらには水に溶けやすい黄色の色素サフロールイエローと水に溶けにくい紅色の色素カルタミンが含まれ、水にさらすことで分離をします。そして、いくつかの工程を加え、目的の色に染め上げます。

   紅(くれない)に衣染めまく 欲しけども 着てにほはばか 人の知るべき  (柿本人麻呂歌集より)
 万葉集で詠まれる紅(くれない)は、恋の歌です。素敵な女性のことを紅(くれない)に譬えています。

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