オンライサロン「鹿野教授の漢方医薬学講義」(154)

 この度、鹿野先生の主旨に賛同し、オンライサロン「鹿野教授の漢方医薬学講義」の立ち上げに参画しました。動画を基本として、漢方医薬の歴史、理論、生薬、薬方鑑別、随証鑑別、薬膳と多岐にわたる内容です。 下記に、鹿野先生がこのオンラインを立ち上げた想いを語っておられますので、少し長いですが収載します。漢方に興味のある方、漢方を勉強したい方にお勧めです。
 私(田部)も、「漢方生薬雑話」「生薬を旅する」と銘打って、順次、動画を発信していく予定です。
 12月22日公開しました。(https://kano-kampo.com)

                  序文(鹿野美弘)

 自然科学は飛躍的な進歩を遂げ、とりわけ物理学と化学は究極の段階に到達してきたと云えます。
 しかし、自然科学の第三の分野である生物学は、高度な機器を用いた部分的な細工は進んでいますが、いまだ全容が明らかにされていない状況です。
 とりわけ有機的総合体である生命体の自律的な恒常性維持機能についてはその解明は端についたばかりともいえる水準です。
 生物自体の把握が現状では生命体の異常、すなわち疾病の把握と対処は対症療法の域を超えることが出来て居ません。確かに対症療法であっても多くの生命を救っていますが、その根本は生命体の自然治癒力にあります。

 健康に生を全うする最大の課題は恒常性維持機能と自然治癒力にあります。
恒常性維持機能は生誕から成長 発育 老化の全過程で日々変化し各段階で特有の様相を示します。
 人間はここ数十年で急速に発展した科学文明により恵まれた生活を享受していますが、それに心身の進化が同調していません。その隔たりがストレッサーとして恒常性維持機能の失調を引き起こしています。

 自然科学の黎明期の十七世紀以前は生命活動も含めて自然界を自然哲学的に把握していました。確かに自然哲学的な形而上学的把握は唯物論的・科学的な面からは実証性という点で劣ります。しかし、科学的に全容が未解明の生物学においては、自然科学よりも自然哲学がはるかに有用であることを示すことがあります。特に中国の自然観から構築された理論は生命活動、疾病を認識し、対処法として自然科学的医学に及ばない価値を示し自然科学的医学とalternative(代替)ではなくcomplementary(補完)しあう立場にあります。

 私鹿野美弘は中國伝統医学に魅せられ、大学では漢方薬物学の講座を開いて薬理学的研究に取り組み、研究・教育に勤めてきました。
永年教えを請うた先達が逝去され、また切磋琢磨した仲間が夭折し、大学は実務教育重視に変化し、さらに企業の商業主義の波で、漢方医薬学の伝承が途絶えようとしています。
 ここに私の学んだ漢方医薬学の知識、経験を知人有志と共に伝えるために動画作成に取り組みました。



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